結婚式への参列やまとまった支払いなどで、急に現金が必要になったのに、「手持ちのお金がない!」と困ることはありませんか?
そんな時にすぐに利用できるのが、クレジットカードのキャッシング機能です。
国内外を問わず、どこでもATMで簡単に引き出しができて便利ですが、利用手数料や金利がどれくらいになるか少し心配ですよね
そんなクレジットカードのキャッシングの国内外での基本的な利用方法や、賢い返済方法など、必ず役に立つ方法をわかりやすく解説します。
この記事の目次
クレジットカードのキャッシングとは
クレジットカードのキャッシング機能について簡単に説明すると、クレジットカードを使ってATMなどでお金を借りることができるサービスです。
クレジットカードには、買い物をしたとき現金がわりにカードで代金を支払う「ショッピング機能」のほかに、現金を引き出す「キャッシング機能」があります。
キャッシング機能を利用するには、クレジットカードにキャッシング枠がついている必要があります。キャッシング枠の付与はクレジットカード申込の際に指定していますが、キャッシング枠が0円の場合は利用ができません。
所持しているクレジットカードにキャッシング枠がついているか確認する方法は後ほどご説明します。
国内でクレジットカードから現金を引き出す方法
キャッシングは全国の銀行、コンビニ、ショッピングセンターなどのATMでできます。
その操作方法は、基本的には銀行キャッシュカードの現金引き出しとほぼ同じで、 違うのはATM画面で選択する項目だけです。
ATM操作のおおまかな流れを、これから説明します。
一般的なATM操作方法
- 「お引き出し」または「クレジットカード」を選択
- 「お借入れ」を選択
- クレジットカードを挿入して4ケタの暗証番号を入れる
- 「キャッシングサービス」を選択
- 引き出したい金額を入力する
ATMで引き出せる金額はカードによって違いますが、 通常1日、または1回あたり50万円までです。
また、110~220円(税込)程度のATM利用手数料がかかりますが、カード会社によっては無料の場合もあります。
作りやすくスピード発行の楽天カードにも、キャッシング機能があります。
キャッシング枠の有無・上限金額の確認方法
クレジットカードがキャッシングに対応しているか、いくらまでキャッシング可能かを確認する主な方法は以下の3つです。
- カード会社のコールセンターに電話して直接問い合わせる
- カード会社のテレホンアンサー(自動音声応答サービス)を利用する
- カード会社のサイトにログインして利用限度額をチェックする
クレジットカードを作るにあたっては審査があり、その審査に通るとカードが発行されます。しかしキャッシング利用限度額は、 「貸金業法の総量規制」に基づき、 “年収の3分の1以内の金額で”設定されます。
そのため、会社員など一定の収入がある人は、よほど理由がない限りは発行時に既にキャッシング対応のクレジットカードになっています。
またカード利用実績や支払い遅延の有無により、利用限度額が上下することもあります。キャッシングをする可能性のある人は、できれば時おり、利用限度額や現在の利用可能額をチェックするようにしましょう。
なお収入がない人は、貸金業法の総量規制により原則的にはキャッシングができません。しかし収入のある配偶者と夫婦関係にあることを証明するなどの方法で、例外的にキャッシングが可能となる場合もあります。学生でも、アルバイトをしているなど一定の収入があればキャッシング枠をつけることが可能です。
また、キャッシング枠が付いていない場合、後からキャッシング枠を追加することも可能ですが再度審査が必要となります。キャッシング枠の追加方法について説明します。
キャッシング枠をあとから追加する方法
クレジットカードを作った際にキャッシング枠を設定していない場合もあると思います。そのような場合、キャッシング枠を後から申請することが可能です。
申込み方法は以下のように2通りあります。
- クレジットカード会社のWEBサイトやアプリ申込
- コールセンターへの連絡と書類の郵送
上記の方法で、キャッシング枠の増額・減額もできるので、必要に応じて使ってみてください。
キャッシング枠追加は、審査なしでできるわけではなく、再度審査を行う必要があり、書類の提出も必要です。必要な書類はクレジットカード会社にもよりますが、以下の通りです。
- 借入希望額が50万円以下の場合:身分証明書(一般的に運転免許証や健康保険証など)
- 借入希望額が51万円以上の場合:身分証明書、収入証明書(源泉徴収票や確定申告書など)
クレジットカードのキャッシングの利用を希望していて、キャッシング枠がついていない方は申請をしましょう。
手数料や返済プランのシミュレーション
クレジットカードのキャッシングは借金ですので、必ずカード会社に返さなければなりません。また、キャッシングしたお金を返す際には、「利息」も支払う必要があります。
利息とは、お金を借りた側が利益を受け取った見返りとして貸した側に支払うお金のことです(カード会社によっては利息を「金利手数料」と呼ぶ場合もあります)。
また、先にお話しした通り、100~200円程度のATM利用手数料もかかります。何も考えずに借りてしまうと、後で驚くような金額を返済することになる可能性もあります。
そのような事態に陥らないためにも、まずはカード会社のサイトで利用限度額や金利(キャッシングした金額に対する利子の割合)などを確認する必要があります。
チェックポイント
- いくら借りるか
- いつまでに返済するか
- 利用限度額はいくらか
- 金利(年利)は何%か
- どんな返済方法があるか
以上のチェックポイントをもとに必要な情報を集めてシミュレーションを行い、無理のない返済プランを立てましょう。
利息の計算方法
貸金業法に基づき、キャッシング利息の金額は次の計算式をもとに算出します。
楽天カードなど、多くのクレジットカードは年利を18%前後にしています。
利息計算の例)
年利18%で10万円をキャッシングし、30日後に一括で返済する場合は、
10万円×0.18(18%)÷365日×30日=1,479円となりますが、毎月2万円ずつ5ヶ月かけて返済していく場合には、こちらの表のような返済プランとなります。
回数 | 返済金額 | 元金 | 利息 | お支払い後残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 21,479円 | 20,000円 | 1,479円 | 80,000円 |
2 | 21,183円 | 20,000円 | 1,183円 | 60,000円 |
3 | 20,887円 | 20,000円 | 887円 | 40,000円 |
4 | 20,591円 | 20,000円 | 591円 | 20,000円 |
5 | 20,295円 | 20,000円 | 295円 | 0円 |
合計すると、 利息は 4,435円となります。一括で返済する場合よりも、3倍利息が高くなってしまいます。
月々の返済元金を低くしたり、返済回数を増やした場合は、お金を借りている期間も金額も増えてしまうため、さらに利息は膨らみます。
クレジットカードのサイトでは、返済額をシミュレーションできる機能もあるためそちらで具体的な金額を参照するのも良いです。
キャッシングした後の返済方法
キャッシング後の返済方法には、一括払いとリボ払いの2つの方法があります。その内容とメリット・デメリットについて説明します。
一括払い
元金(キャッシングした金額)と利息を一括して払う返済方法です。
一括払いのメリット
- 一括で返済することで返済利息が少なくてすむ
- 借りたその日に返済すれば利息がかからない(利息がつくのは翌日から)
一括払いのデメリット
- まとまったお金がないと利用できない
リボ払い(リボルビング払い)
キャッシング利用残高に応じて毎月定額の元金+利息を支払う方法です。
リボ払いのメリット
- 手元にまとまったお金がなくても無理なく返済できる
リボ払いのデメリット
- 返済期間が長くなるほど返済利息の金額が増える
上記のどちらを選ぶかは、その時の金銭的な状況により決めることになります。手元にお金があるなら、できるだけ一括払い、または繰り上げ返済をする方がお得です。
繰り上げ返済の方法
少額を少しずつ返すよりも、お金に余裕ができたら繰り上げて返済しましょう。
その方法が以下の通りです。
- 繰り上げ返済の申込をした翌月に口座引き落としを行う
- 希望の日にカード会社の口座に振り込む
- カード会社の提携金融機関のATMでカード入金する
返済利息は借りた日から時間が経つほど増えるため、リボ払いは一括払いに比べてより多くの利息を支払うことになります。
そのため、ボーナスなどまとまったお金が入った時は可能な範囲で繰り上げ返済して、返済期間をできるだけ短縮する方がお得ということになります。
海外旅行時に便利な「海外キャッシング」
クレジットカードのキャッシングは、国内のみならず海外のATMでも手軽に利用することができます。海外旅行で手間となる両替をしなくても直接現地の通過を引き出すことができるのが便利なポイントです。
海外キャッシングのメリット・デメリットや、引き出す方法を解説していきます。
海外キャッシングのメリット
便利な海外キャッシングですが、両替所で外貨を交換するよりもお得になるなどのメリットがあります。それぞれのメリットについて見ていきましょう。
世界中でキャッシングが可能
世界各地にあるVISA、MasterCard、JCBなどのATMでは、24時間いつでもクレジットカードで現金が引き出せます。
為替レートがお得になる場合も
海外キャッシングの為替レートは利用日の実勢レートで計算されるため、銀行で両替するよりもお得になる場合があります。
帰国したらすぐに繰り上げ返済するようにすれば、金利も抑えるためお得です。
多額の現金を持ち歩く必要がないので安心
軽犯罪の多い国へ旅行するときなど、多額の現金を持つことは危険です。その点、クレジットカードキャッシングなら、必要最低限の額だけ引き出せるので安心です。
海外キャッシングを利用する際は、必ず暗証番号が必要となりますのでその点にご注意ください。
海外でATM操作をする場合の手順
- 4桁の暗証番号(Enter Pin)を入力する
- 取引内容(Credit Card WithdrawalまたはWithdrawal)を選択する
- クレジットカードアカウント(Credit Card Account)を選択する
- 金額を入力する
- 確認画面で確認がとれるまで待つ
ATMによって選択項目に多少の違いはありますが、どこの国でも上記の操作方法で利用できます。
海外利用時におすすめのクレジットカード
海外での利用を考えている場合、国際ブランドはVISAにかMasterCardにすると良いでしょう。JCBは日本初の国際ブランドということもあり、海外で使えないお店が多いためです。
海外へ行く機会に、新たにクレジットカードを作ってみてはいかがでしょうか。
エポスカードは年会費が無料ながら、海外旅行保険が自動付帯されており、旅先で万が一の怪我や、携行品の損害の補償が受けられます。また、海外旅行中のトラブルの際に、緊急医療アシスタントサービスが24時間日本語で対応してくれるのも安心のポイントです。
また国際ブランドが海外での加盟店が多いVISAのため、利用にしやすいでしょう。
クレジットカードのキャッシングの3つの注意点
ここまでクレジットカードのキャッシングの利用条件や利用方法などについて説明してきました。使い方によっては便利なキャッシング機能ですが、クレジットカードキャッシングには注意すべき点もあります。
ここでは、クレジットカードのキャッシングの3つの注意点について解説していきます。
ポイントが貯まらない
クレジットカードで買い物をすると、ポイントが貯まりますよね。ではキャッシングの利用でもポイントが貯まる場合があるのでしょうか?
ほとんどのクレジットカード会社の規定では、キャッシング利用はポイント還元の対象外となっており、キャッシングではポイントが貯まりません。ただし次のような例外もあります。
カードローン切り替えなどで例外もある
例えば楽天カードの場合、同じ系列の楽天銀行カードローンに切り替えることで、まとまったポイントが付与されるだけでなく、利息の年利が楽天カードの「キャッシングに比べて低くなる」というメリットがあります。
その理由は、18%の年利を適用している楽天カードから、最大14.5%の年利となっている楽天銀行カードローンに借り替えるという形になり、それによりポイントが付与される仕組みになっているからです。
ポイント還元よりも繰り上げ返済をしたほうがお得
実は、クレジットカードキャッシングの年利18%は消費者金融と同じ利率で、かなり高いものです。
なので結局は返済時にたまったポイントをはるかに超える額の利息を払うことになり、長い目で見ればかなりの損をするという形になります。
また、返済時に利率の高い利息が加算されることで、限られた収入の中で無理なく返済することが困難になる可能性も高いです。
キャッシングを利用する際はポイント還元を期待するよりも、できるだけ早く返して利息額を極力減らす方がよっぽどお得だと言えるでしょう。
ショッピング限度額に影響がある
キャッシングを利用することによって、ショッピングの限度額に影響があります。
その理由を説明するにあたり、まずはクレジットカードで定められている3つの「枠」についてご説明します。
利用可能枠
「利用可能枠」は「総利用枠」とも呼び、クレジットカードで利用できる全体の限度額です。
その金額はカード作成時にカード会社から通知されますが、支払い履歴などによって変わる場合があります。
ショッピング枠とキャッシング枠
クレジットカードで利用できる金額の限度額である利用可能枠の内訳には、「ショッピング枠」と「キャッシング枠」が設定されています。
ただし、この2つの枠はそれぞれが独立しているわけではなく、ショッピング枠の中にキャッシング枠が含まれます。キャッシング枠の限度額までの実質利用額だけ、ショッピング枠の金額が減るということになります。
例えば、100万円の総利用枠がある場合には
- キャッシング0円:ショッピング枠100万円
- キャッシング20万円:ショッピング枠80万円
- キャッシング30万円:ショッピング枠70万円
このように考えられます。
※エポスカードなど、キャッシング枠とショッピング枠が独立している場合もあります。
なお、キャッシング枠は常に限度額いっぱいまで設定する必要はなく、必要に応じて利用できる金額の設定を限度額以下にすることもできます。
住宅ローンの審査や借入可能額に影響がある
クレジットカードのキャッシング枠はクレジットカード会社が貸付可能と判断した金額となります。
キャッシング枠が設定されている場合、「いつでもその上限金額分お金を借りることが可能」とみなされるため、住宅ローンの借入可能額が少なく設定される可能性があります。
住宅ローンの利用を検討している方は、利用しないキャッシング枠の削除をするなどの対応をすると良いでしょう。
まとめ
今回は、クレジットカードのキャッシング機能の上手な利用方法について、以下のポイントを中心に説明しました。
- 国内からクレジットカードで現金を引き出す方法
- キャッシングした後の返済方法
- 海外キャッシングの方法
- クレジットカードキャッシングのよくある疑問
クレジットカードのキャッシングは、思いがけない出費があり、急にまとまった現金が引き出したいときなどに便利です。
ただし、キャッシングは消費者金融と同じ利率の高い利息がつくため、手軽に利用しすぎると利息を含めた返済額が膨れ上がります。
返済不能になった結果ブラックリストに掲載されてしまう恐れもあります。
そのような事態に陥らないためにも、「キャッシングはあくまでも一時的に利用するものである」と考え、繰り上げ返済するなどして、できるだけ早く返済するのが上手な利用法です。