高速道路などの有料道路をよく利用する人にとって、ETCカードはETCシステムを使いゲートをキャッシュレスでスムーズに通過でき、小銭を準備しなくてもよいという点でとても便利です。
またETC割引があったり、クレジットカードによって支払うことでポイントが貯まったりと、使い方によってはお得にもなるアイテムです。
しかし、「年会費無料のETCカードはどれ?」「導入までが面倒」「種類が多すぎてどれを選んでよいのかわからない」「審査なしでも持てるの?」という人もいるのではないでしょうか。
よりお得なETCカードの選び方や作り方、ETC導入までのプロセスなどを解説していきましょう。
この記事の目次
年会費や発行手数料が無料のETCカード
「とりあえずETCカードを作っておきたい」「お得にETCカードを持ちたい」という人におすすめなのは、年会費や発行手数料など、手数料すべてが無料とされているETCカードです。
特に年会費は毎年発生するものですので、数年支払い続けるとそれなりの金額になります。
その点、諸費用がすべて無料のカードであれば、実際にETCを利用しなくても損をすることはありません。では、おすすめカードをご紹介してきましょう。
手数料系がすべて無料のETCカード6選
年会費、発行手数料ともに無料のカードを6つ紹介します。
オリコカード THE POINT:ポイント還元率が高くて使いやすい
オリコのETCカードは、年会費無料で、もちろんポイントも貯めることができます。ETCについては「オリコETCカード」としてクレジットカードと独立した専用カードとなります。
- オリコカード・ザ・ポイント年会費:無料
- ポイント付与:100円で1ptポイント=1.0%還元※入会後半年はポイント倍増
- オリコETCカード年会費:無料
- オリコETCカード入会金:無料
オリコの特徴としては、年会費無料カードのラインナップが豊富であること、ポイントが1.0%と高還元で、貯まりやすくて交換しやすいことが挙げられます。
JCB CARD W:ポイント還元率が高い
2017年10月に新しく登場したJCB CARD Wも、ETCカードが入会・年会費無料で発行できます。
- JCB CARD W年会費:無料
- ポイント付与:1,000円で10円相当=1.0%還元
- ETCスルーカード年会費:無料
- ETCスルーカード入会金:無料
JCB CARD W
国際ブランド

対応電子マネー




- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- 家族カード
- 分割払い
- ETC
年会費 | ポイント還元率 | ポイント名 | |
---|---|---|---|
初年度 | 2年目~ | ||
永年無料 | 永年無料 | 1.0%~5.5%(※1) | OkiDokiポイント |
発行スピード | 限度額 | マイレージ 還元率(最大) |
ETC年会費 |
最短5分程度(※2) | 公式サイト参照 | 0.3%~0.78% | 無料 |
1 最大還元率はJCB PREMOもしくはnanacoポイントに交換した場合
※2 モバ即の入会条件
①9:00AM~8:00PMでお申し込み
②カード申し込み時に、WEBにてお支払い口座を設定
③顔写真付き本人確認書類による本人確認(運転免許証/マイナンバーカード/在留カード)
受付時間を過ぎた場合は、翌日受付扱いとなります。
モバ即での入会後、カード到着前の利用方法について、詳しくはHPをご確認ください。
- 【年会費永年無料】
ポイントいつでも2倍以上! - 【新規入会限定】
新規入会&カード利用&Amazon.co.jp利用で最大13,000円キャッシュバック! - 【期間限定】
お友達紹介で1,500円キャッシュバック! - 家族カード・ETCカードが年会費永年無料!
- 39歳以下限定のJCBオリジナルシリーズ!
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JCB CARD Wもポイントが高還元で貯まり、クレジットカードとETCカード両方の年会費など維持費がかからないためにおすすめです。
セゾンカード インターナショナル:ETCカードも即日発行できる
セゾンカードも、同じく年会費無料のETC専用カードが発行されます。特徴的なのが、「ETCカード即日発行サービス」により、申し込んだその日からETCカードを使用できることです。
即日発行したい場合、セゾンカードを持っているかどうかで申し込み方法に違いがあるので注意が必要です。
1:セゾンカードを持っていて即日発行する場合
全国のパルコやららぽーとなどにある「ETCカード即日発行サービス専用カウンター」へ、手持ちのセゾンカードと運転免許証・パスポートなどの本人確認書類を持っていく必要があります。
セゾンカウンターなどの詳細は、こちらの公式ページを参照にしてください。
2:セゾンカードを持っていなくて即日発行する場合
まず上記のリンクなどから、セゾンカードの申込を「オンライン申し込み」にて行います。このとき、オンライン申し込みでのETCカードの選択では右側の「申し込まない」を選んでください。
WEBの審査が完了したら、「クレジットカード即日発行カウンター」でクレジットカードを受け取ります。またカウンターで同時に「ETCカードも即日発行して欲しい」と伝えてください。
オンライン申し込みでETCカードを選択すると発行まで時間がかかりますが、カードがある状態でカウンターにてETCカードを発行してもらえば、最短即日でクレジットカードとETCカード両方が手に入ります。
※上記の方法はセゾンカードへの電話取材で確認済
またセゾンカードで貯まるポイントは永久不滅ポイントであるため、「貯まったポイントの有効期限を管理するのが面倒」という人にもおすすめです。
イオンETC専用カード
イオンETC専用カードはイオンマークのカードにプラス1枚として作ることができるカードです。発行も年会費も無料でポイントを貯めることができるのがオトクです。
イオンマークのカードを持っているかどうかで発行方法が違い、以下のようになっています。
イオンマークのカードを持っている方 | イオンマークのカードを持っていない方 |
---|---|
ETC専用カードを追加で発行することが可能 | オンラインでイオンカードと共に同時申し込みが可能 |
イオン、WAONユーザーにとって最もお得なイオンカードセレクトの発行でも同時にETC専用カードを発行することができます。
WAONへのオートチャージで200円につき1ポイント、WAON利用の際にも200円に1ポイントが貯まり、ポイントが2倍貯まるのがイオンユーザーに嬉しいところです。
ライフカード
ライフカードの最大の魅力は、本カードの年会費もETCカード会費も永年無料、もちろん発行手数料もかからず、誕生日の月はポイントが3倍になるというサービスです。
ライフカード「年会費無料」
国際ブランド



対応電子マネー






- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- 家族カード
- 分割払い
- ETC
年会費 | ポイント還元率 | ポイント名 | |
---|---|---|---|
初年度 | 2年目~ | ||
無料 | 無料 | 0.5%〜1.5% | LIFEサンクスポイント |
発行スピード | 限度額 | マイレージ 還元率(最大) |
ETC年会費 |
最短2営業日 | 200万円 | 0.60% | 初年度無料 |
- 新規入会&条件達成で最大15,000キャッシュバック
- 年会費は永年無料!
- ポイントUPモール経由で、最大25倍!
- ポイントは利用金額に応じて最大2倍、誕生月は3倍!
- カードデザイン、国際ブランドが選べる
- 今がチャンス!お得な入会特典
- 新規入会&条件の達成で最大15,000円のキャッシュバック!
ETCは専用カードが発行されるタイプですが、本カードと同じ比率でポイントが付与されますので、ほぼETCのみの利用しかしないという人にもお得感があります。
また、ポイントの有効期限も5年と長期間であるため、うっかりポイントを失効させてしまうという心配もあまりないと言えます。
年会費や発行手数料が多少かかるものの、ポイント制度でおすすめのETCカード
年会費や発行手数料が無料のETCカードであれば、もちろんベストなのですが、少々の年会費を払っても持つ意味があるカードも存在します。
ETCカードやセットになっている本カードの利用頻度が高いようであれば、ポイント還元率が高いことによるメリットが年会費を支払うデメリットを上回るためです。
では、還元率が元々高い、特定の時期にポイント付与が一気に増えるなどの点で強みを発揮するカードをいくつかご紹介しましょう。
楽天カード
楽天ETCカードは、基本的に年会費で550円(税込)がかかりますが、シンプルさ、わかりやすさでおすすめできます。
気になる還元率ですが、ETCの利用でも1%のポイントが貯まります。例えばだいたい毎月1万円のETC利用があれば、100円分のポイントが貯まります。
楽天ETCカードの場合、楽天市場で「ダイヤモンド会員」「プラチナ会員」などになっていれば年会費を無料にすることもできます。
普段から楽天の利用が多く、常にこのような会員ランクを保っている人であれば、ずっと年会費が無料になる可能性もあります。
ビアソカード
ビアソカードは、初回に発行費用が1,100円かかるものの、ETC利用が通常ポイントの2倍となり、還元率は1%となります。毎月8,500円以上のETC利用がある人にはおすすめできます。
三菱UFJカード VIASOカード
国際ブランド

対応電子マネー




- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- 家族カード
- 分割払い
- ETC
年会費 | ポイント還元率 | ポイント名 | |
---|---|---|---|
初年度 | 2年目~ | ||
無料 | 無料 | 0.5% | VIASOポイントプログラム |
発行スピード | 限度額 | マイレージ 還元率(最大) |
ETC年会費 |
最短翌営業日 | 100万円 | 無料 |
- 【年会費永年無料】ポイント最大10%還元!
- 新規入会特典として最大10,000円をキャッシュバック!
- 貯まったポイントは自動でキャッシュバック!
- 海外旅行傷害保険最高2,000万円!
- 充実の保険付帯!
そして、他のカードと比べたときの強みとして、ポイントが年に1度1,000円以上(1ポイント1円)でキャッシュバックされることです。
他のカードであれば、貯めたポイントの用途が限定されてしまうことが多いという点を考えれば、これは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
ENEOS(エネオス)カード
ガソリンスタンド最大手であるENEOSが発行しているENEOSカード。年会費は1,375円(税込)かかりますが、下記のような各種優待がENEOSで受けられます。
年会費 | 優待内容 | |
---|---|---|
ENEOSカード C | 1,375円(税込) 家族会員無料 ETCカード無料 |
ENEOSでガソリン・軽油1~7円/L値引き |
ENEOSカード P | ENEOS利用でキャッシュバック | |
ENEOSカード S | ENEOSでガソリン・軽油2円/L値引き |
ENEOSカードを持っている方がENEOSでガソリン・軽油を購入するとお得になるので、日常的に車を利用する人や、遠出をよくするため走行距離が長い人におすすめです。家族カードでもETCカードを無料で発行できるので、家族で別々の車を持っている場合でもお得に利用可能です。
法人向けのおすすめETCカード
この章では、法人向けのおすすめETCカードをご紹介していきます。法人向けのETCカードには下記の2種類があります。
- 法人用クレジットカード付帯のETCカード
- クレジット機能なしのETC法人カード
一般的なのは法人用クレジットカードを作り、付帯カードとしてETCカードを作る方法で、様々なクレジットカード会社から発行されています。ここでは、個人向けのETCカードとの違いや、ETC搭載法人クレジットカードのメリット・デメリットについて解説していきます。
法人と個人向けETCカードの違い
法人と個人のETCカードの大きな違いは発行枚数にあります。個人用のクレジットカードはほとんどのカードでETCカードの発行可能枚数がクレジットカード1枚に対して1枚、複数発行可能でも多くて5枚までです。
一方、法人用クレジットカードはETCカードの発行可能枚数が多い傾向にあります。中には無制限とされているカードもあるほど。社員の人数分ETCカードを用意しておきたい場合や万が一何かあった時のために複数枚用意しておきたいような場合にも対応可能です。
法人用ETCカード
法人用ETCカードには先にも述べた通り大きく分けて2種類が存在します。
まず1つが法人用クレジットカードの付帯カードとして発行するETCカードです。これは先の見出しで提示したクレジットカードを始めとして、さまざまなクレジットカード会社で発行可能です。多くの場合発行料金が無料なのと、各種クレジットカードに付帯した特典を受けることが可能です。
そしてもう1つが、NEXCO・ETC協同組合・高速情報協同組合から発行してもらうETCカードです。この場合、クレジットカードを作らなくてもETCカードが作成可能です。
ただし、カード発行手数料や出資金がかかります。また、発行する際に審査が必要となるので、クレジットカードが作れるのであればクレジットカード付帯のETCカードを作る方が手っ取り早くてすみます。
ETC搭載法人クレジットカードのメリット・デメリット
また、法人用のクレジットカードの中にはETC機能を搭載したカードもあります。この形は2018年7月現在、JCBからのみ発行されています。そんなETC搭載法人クレジットカードのメリットとデメリットには次のような点が挙げられます。
メリット
- 使用者1名ごとに1枚ずつ追加できる
- 利用状況を把握しやすい
- ポイントが付く
- デポジット不要
- 出張時の支払いにも対応できる
- 国内外の旅行傷害保険が付くので出張の保険代を削減可能
デメリット
- 審査がある
- 年会費がかかる
- 大口割引なし
このような条件からETC搭載法人クレジットカードは、比較的発行枚数が少なく済む小規模の会社で、かつ社員が高速道路を運転する機会が多い会社に向いているといえるでしょう。
また、ETCカードは発行会社によってさまざまな特徴があります。次のセクションではETCカードの違いについて説明します。
ETCカードはすべて同じでない!違いの見分け方
ETCカードと一言で言っても、その中身はさまざまです。中でもドライバーとして気になるのは、カード自体のコスト、『発行手数料や年会費』『更新にかかる費用など』でしょう。
ETCカードを使えば現金より割安であることはなんとなく知っていても、有料道路(高速道路)の利用回数が少ない人にとっては、「コストがかかるのであればむしろ損になるのでは?」という心配があるのも無理はありません。
また、ポイントがどれくらい付与されるのか、つまりお得感があるカードなのかということも、重視すべき点です。
発行手数料や年会費・更新費の有無
ETCカードを保有するコストとしては、発行の際に1度かかる「発行手数料」、毎年かかる「年会費」、更新の際にかかる「更新費」が考えられますが、これらがかからない年会費無料のETCカードも存在するのです。
特に年会費については、極力無料のカードを選ぶべきといえますが、まったく無条件で無料になるものと、一定の条件のもとに無料とされているものがあります。
有料道路(高速道路)の利用回数が少ない場合は、ポイント獲得を考えても元を取れないことがあるため、できれば年会費永年無料カードを選びたいものです。
カード利用によるポイントの還元率
クレジットカードには「還元率」というものがあります。これは、「いくらの買い物に対してどれくらいのポイントつくか」という割合のことです。
たとえば、100円の買い物をクレジットカードでした場合に1円分のポイントがつくのであれば、還元率は1%ということになります。
すべてのブランド、すべての会社が同じ還元率ではなく、どの会社のどのブランドのカードを持つかということで還元率はまったく違ってくることもあります。
ETC利用でもポイントが貯まる
ETCの利用によってクレジットカードのポイントを貯める際に知っておきたいのは、ETC利用によって貯まるポイントは、そのカードに関連したブランドのポイントになるということです。
たとえば、「楽天カード」のETCカードであれば楽天ポイントが貯まり、「Yahoo! Japan JCBカード」のETCカードであればTポイントが貯まります。
もし例えば、還元率0.5%のカードと還元率2.0%のカードを持っている人がいた場合、利用状況がまったく同じでも、4倍もの差が出てきてしまうので、特に有料道路(高速道路)ヘビーユーザーの人は、還元率をしっかり確認して選びたいものです。
カードによってETC利用特典がつかないこともある
ただ、注意したいのはETC利用によってポイントが貯まらないカードもあるということです。
ポイントがつかないカードの一例を挙げると、ポケットカードのうち「ポケットポイント付与対象外カード」であるZOZOカード、マガシークカードなどです。
また利用金額の1%が割り引かれるP-oneカードは、ETCの利用分は割引の対象外です。
カードを作成する際は何の利用でどのポイントがどのくらいつくのか、しっかり確認してから申し込むようにしなければなりません。
ETC機能が一体となったクレジットカードもある
ETCカード自体に「VISA」などブランド名がついてクレジットカードと一体化しているものもありますが、ETCのみ独立している「専用カード(独立型カード)」もあります。
一体型のメリットは、「ショッピングやキャッシングにも使えて便利であること」、「両方のカードを持たなくてよいこと」から保有枚数を減らせることです。
しかし、一体型の場合、ETCカードは自動車に搭載した機器に差し込むという構造上、車内に置き忘れがちです。もし車内から盗まれて不正に使われてしまう危険性もあるので、心配性な方におすすめなのは、ETCのみ独立している「専用カード(独立型カード)」です。
審査なし&クレジットカードなしで使えるETCパーソナルカード
ETC専用カードであっても、基本的にクレジットにより決済される仕組みであることに変わりはありません。
つまり、普通にクレジットカードを申し込む時と同じように与信審査が入ることになるため、中には審査落ちする人もいます。
ETCパーソナルカードあれば、クレジット機能がないため、審査なしでETCカードを発行することができます。
ETCパーソナルカードは、デポジット(預託金)を預けることによってETCカードを作れるというシステムになっており、利用料金は銀行引き落としにより決済されます。
ETCカードでお得なサービス
ETCカードを作りたいと思った人は、そのきっかけとして「有人の料金所を通行する時に待つのが面倒」「現金を出すのに手間取り、時間もかかる」などといった理由があるのではないでしょうか。
もちろん、料金所をスムーズに通行できること自体がETCの魅力といって間違いないのですが、それ以外にもETCの利用で得をするポイントがあるのです。
クレジットカード会社独自の制度以外の、お得ポイントをいくつか知っておきましょう。
ETC割引
ETCを利用することそのもので割引を受けられる制度があります。内容については有料道路(高速道路)の会社によっても若干異なる部分がありますが、例を挙げてみましょう。
NEXCO東日本については、土日祝日、深夜(0時~4時)には、現金払いの時と比べて30%もの割引を受けられる制度があります。
また、下記に説明する「ETCマイレージサービス」に登録しておくと、平日朝夕割引を受けることもでき、利用回数に応じて異なる還元額が設定されています。
ETCマイレージサービス
ETCマイレージサービスとは、ETCを利用した分だけポイントの還元が受けられ、そのポイントを還元額(無料通行分)として利用できる制度です。
これは事前に登録しておかなければならない点に注意が必要ですが、登録は無料で年会費もかからないうえ、10%という驚きの高還元率ですので、利用しない手はありません。ポイントを自動還元する方法もあるため、自動的に失効してしまうのを防ぐこともできます。
なお登録方法としては、郵送のほかにインターネットを使うこともできます。
ETCカードの障がい者割引
障がい者割引制度とは、NEXCO東日本、中日本、西日本等の道路事業者(高速道路会社)で実施している、「身体障がい者の方が自ら運転する」または「重度の身体障害者の方もしくは重度の知的障害者の方が同乗し、障がい者以外の方が運転する場合」に50%割引サービスです。
事前に車両の登録が必要で、1台のみという条件がありますのでご注意ください。
ETC2.0の割引サービス
ETC2.0対応の車載器を持っている人であれば、ETCの新しいサービスである、ETC2.0のサービスを受けられます。
ETC2.0とはこれまで導入されていたETCがバージョンアップされたもので、従来から提供されている高速道路利用料の自動収受や安全運転支援などの機能に加え、ITS(高度道路交通システム)スポットを活用したさまざまなサービスが追加、及び追加予定となっています。
ETC2.0のサービスには、下記のような内容があります。
- 高速道路の1時間以内の一時退出が可能
- 圏央道利用の料金水準が約2割引
- 特殊車両、大型車両の通行許可申請手続き自動化
また、今後下記のようなサービスの導入が予定されています。
- 高速道路の一時退出・再進入の料金同一化
- 渋滞を避けたルートの選択で料金割引
- 走行経路や急ブレーキ、急ハンドルの情報を物流会社へ提供することで運行や配送の管理などを支援
- 渋滞や事故等の状況に応じて賢く経路選択を行うドライバーに対する優遇措置
- 駐車場での利用料金決済
- フェリー乗船の簡素化
このように、ETC2.0を利用することで、渋滞を避けながらお得な料金で高速道路を利用できるようになります。ただし、ETC2.0をうまく利用するには、カーナビやスマホと連動する車載器が必要です。
セットアップ
ETC2.0対応にするには、車のナンバープレートなどの車両情報を暗号化して書き込む「セットアップ」と呼ばれる手続きが必要で、これはETC2.0登録店が行います。
ETC登録店ではできませんので気を付けましょう。セットアップにはオンラインセットアップとオフラインセットアップがありますが、ETC2.0はオンラインセットアップで行います。
オンラインセットアップでは、情報発行元(ITS-TEA)と登録店の間でセットアップに必要な暗号化された情報をオンラインで送受信し、登録を行います。セットアップは通常1時間前後で完了することが多く、完了後ETCカードを挿し込めばETC2.0が使用できるようになります。
なお、セットアップを行う前に、使用者が「セットアップ申込書」に記載されている「ご利用にあたっての注意」や「お願い事項」を了承したうえで、本人の自筆署名が必要になります。本人が来店できない場合は委任状が必要な点も合わせて覚えておきましょう。
このように、ETC2.0は今後活用の幅が広がっていく技術です。活用するのに必要な機器や手続きがある点を把握しておきましょう。
次の章では、ETCカードをどのように作れば良いのかを解説していきます。
ETCカード(ETCクレジットカード)の作り方を解説
ETCカードを作る方法は大きく分けると2つあり、以下のようになっています。
- 追加発行:すでに持っているクレジットカードを元に、追加でETCカードを申し込む
- 同時発行:クレジットカードを新しく作る時に、オプションでETCカードを申し込む
どちらも基本的には審査がありますが、追加発行の場合、親となるクレジットカードの審査が通っているので、審査に落ちる可能性が少なく、スムーズにカードを発行ができます。
未成年や学生のETCカードの作り方
未成年や学生でも条件を満たしていれば、ETCカードを作ることができます。
ETCカードは基本的にクレジットカードのオプションで作るカードとなっています。そのため、未成年や学生でも申し込むことができるクレジットカードの中から、ETCカードに対応しているクレジットカードを選びましょう。
条件はカード会社によって違いますが、主に以下の2つとなっています。
- 18歳以上であること(高校生は除く)
- 親権者の同意が得られること
ETCカードの作り方は前項で説明したものと同様で、お持ちのクレジットカードに追加でETCカード発行をするか、新しいクレジットカードと同時に申し込みするかの2通りです。
次の項ではETCカードの解約方法についてご説明いたします。
ETCカード解約の2つの方法
ETCカードはクレジットカードとひもづいているため、解約の方法が2つあります。
- ETCカードと共にクレジットカードも解約する
- ETCカードのみを解約する
上記のどちらの場合でも、解約の方法としては電話、郵送、Webなどがあり、カード会社によって解約方法は異なります。
ETCカードに紐づくクレジットカードの変更条件と方法
ETCカードは基本的に、親となるクレジットカードに紐付いています。その親となるクレジットカードを変更する場合、条件によっては変更が可能となっております。
- 同じクレジットカード会社内のクレジットカードへの変更は可能
- 他社のクレジットカードへの変更は不可
- 一体型のETCカードの場合は同じクレジットカード会社でも再発行が必要
ETCカードの利用方法
ETCカードは便利とはわかっていても、「自動車に機械をつけなければならないし、費用もかかり、面倒なのではないか?」と考える方も多いですよね。「いきなりゲートが閉まったりしないだろうか?」と不安になる人もいます。
しかし、導入については多少の手間はあるものの、1回手続きすれば済むことなので、その後の利便性やお得感を考えれば、それほど大した作業ではありません。
では、導入にあたって知っておきたいことをまとめてみましょう。
ETCカードの利用の際はETC車載器が必要
ETC導入の必須アイテムとしては「ETC車載機」そして「ETCカード」です。車載機の種類には3つあり、「2ピースタイプ」「3ピースタイプ」「ビルトインタイプ」となっています。
2ピースタイプは、一体型とも呼ばれ、送信アンテナとカードリーダーが1つになっているためコンパクトですが、ダッシュボードなどに置くので目立ちやすく盗難が心配です。
3ピースタイプは、アンテナとカードリーダーを別々につけるので場所は取りますが、極力目立たないところに設置することもできます。
ビルトインタイプは、いわば特注で、新車を購入する際に自動車と車載機を一体化させてしまうというものです。
ETCカードの有効期限をチェックする
ETCカードは基本的にクレジットカードで決済する仕組みですので有効期限がありますが、本カードであるクレジットカードの有効期限とほぼ一致していると考えればよいでしょう。
つまり、新しい本カードが送られてくるなどしてクレジットカードの有効期限が近付いていることがわかったら、同時にETCカードの有効期限もチェックしておく必要があります。
万一、有効期限切れに気付かずにゲートを通行しようとすると、ゲートが閉まってしまうこともあり危険ですので、くれぐれも注意しなければなりません。
ETCゲートの走行方法
ETCを使って料金所を通行する場合、ETC専用レーンからゆっくりと入っていき、ゲートが開いたことを確かめて通行します。
自分の前の車が通行した直後には開いていることもありますが、車間距離がないからといって無理に通過してはならないのです。必ず「徐行」して、一旦ゲートが開け閉めされたことを確認するのがポイントです。
もし、カードの挿入忘れや有効期限切れがあった場合、車載機からブザー音などで知らせてくれることもありますが、必ず一旦停止して料金所係員を呼ばなければなりません。
ETCカードを利用したあとの料金確認と支払日
ETCは、料金所のレーンを通過するだけで、料金所のようにレシートが出てくるわけでもありませんから、自分がいつ、どこを通行したのかということが後からわからなくなってしまうことがあります。
特に、仕事で頻繁に有料道路(高速道路)を通る人であれば、なおさらのことでしょう。そこで、自分が通行した分を後から一覧で確認することができれば非常に便利です。
では、自分で利用の記録を後日確認する方法や、実際にいつが支払日になるのかをご紹介します。
いつ、いくら利用したか後で確認する方法
「ETC利用照会サービス(登録型)」というサイトがありますが、これに登録しておけば、自分の利用分を確認することができます。一度登録しておくと、他の自動車で通行した分についての照会も可能です。
なお、登録はETC利用照会サービスのサイトから行います。ETCカードには、ETCクレジットカード、ETCパーソナルカード、ETCコーポレートカードという分類がありますが、カードの種類によって申し込みの入口が違うことに注意が必要です。
支払日はいつなのか
ETCカードの料金請求については、ETCレーンを通行したその日が請求日になるわけではありません。
これは、通行した瞬間にはまだカードの有効性などの審査がされず、後日審査されたうえで事業者からクレジットカード会社に実際の請求がされるためで、それによりタイミングが遅いと感じるケースが多くなるわけです。
もし、このようなタイムラグを考えても、あまりにも遅い場合は、クレジットカード会社に問い合わせてみた方がよいでしょう。
ETCカードは2枚以上発行も可能
ETCカードは個人用のクレジットカードの場合は1枚に対して1枚のみ発行可能となるのがほとんどです。しかし一部のクレジットカードでは複数枚発行可能な場合もあります。
2枚以上発行可能なクレジットカード
個人用のクレジットカードでも、下記のカードの場合は複数枚のETCカードを発行可能です。
- セゾンカードのETCカード
- アメリカン・エキスプレスのETCカード
- ダイナースクラブのETCカード
それぞれのカードについて詳しくご紹介していきます。
セゾンカードのETCカード
セゾンカードのETCカードはクレジットカード1枚に付き5枚まで発行できます。
メリット
- ETCカード年会費永久無料
- セゾンカウンターで即日発行ができる
- 年会費無料のクレジットカードもある(セゾンカード・インターナショナル)
- 家族会員もETCカードを5枚まで発行可能
デメリット
- 基本のポイント還元率が0.5%と低い
セゾンカードは基本となるクレジットカード・ETCカードともに年会費無料で持つことが可能です。手数料を抑えて複数のETCカードを持ちたい人におすすめです。
アメリカン・エキスプレスのETCカード
アメリカン・エキスプレスは基本カード会員であればETCカードを5枚まで発行可能です。
メリット
- 年会費無料
- ポイント還元率が高い(1.0%)
- 貯まったポイントをマイルに交換しやすい
- 付帯サービスが充実している
デメリット
- 入会金935円(税込)(キャンペーン利用で無料になることも多い)
- 基本となるクレジットカードの年会費が高額(通常カード7,700円(税込)~、ゴールドカード31,900円(税込)~)
- 家族カード会員が発行できるETCカードは1枚
このように、アメリカン・エキスプレスのETCカードは基本となるクレジットカードの年会費が高額ですが、ポイント還元率が高いのが特徴です。クレジットカードの利用頻度が高い人や高速道路をよく利用する人にとってはメリットが大きいといえるでしょう。
ダイナースクラブのETCカード
ダイナースクラブカードのETCカードは、クレジットカード1枚につき5枚まで発行できます。
メリット
- 家族会員もETCカードを5枚まで持てる
- カード発行手数料無料
- 年会費無料
- ポイント還元率が高い(1.0%)
- 貯まったポイントをマイルに交換しやすい
- 付帯サービスが充実している
デメリット
- 基本となるクレジットカードの年会費がアメリカン・エキスプレスよりもさらに高額(24,200円(税込)~)
ポイント還元率が高くマイルへの交換もしやすいダイナースクラブのETCカードですが、基本となるクレジットカードの年会費の負担がかなり高額です。
ETCカード以外の充実した付帯サービスも積極的に利用したい人やステータスの高いカードが欲しい人におすすめといえるでしょう。
ETCカードを2枚以上発行する際の注意点
ETCカードを2枚以上発行する時気を付けておきたいのが、下記の2点です。
- ETCマイレージサービスへの登録は原則1台の車載器につきETCカード1枚
- 高速道路の入口と出口で同じカードを使う
詳しく見ていきましょう。
ETCマイレージサービスへの登録は原則1台の車載器につきETCカード1枚
高速道路をお得に利用するうえで欠かせないETCマイレージサービスですが、原則として1台の車載器に登録できるETCカードは1枚です。例外として同居の家族や法人であれば最大4枚までETCカードを登録できます。単なる同居人や別居の家族は含まれませんので覚えておきましょう。
また、別のETCカード間のETCマイレージサービスは合算されません。できるだけ1枚のETCカードに集約する方が効率よく貯められるのでおすすめです。
高速道路の入口と出口で同じカードを使う
高速道路の入口と出口で別のETCカードに差し替えると危険です。入口と出口のカードが違うと出口でETCレーンが開かないからです。交通事故となる危険性もあるため、一度高速道路に乗ったらETCカードを差し替えないようにしましょう。
このように、複数枚ETCカードを持つ場合は気を付けておかなければならない点がありますので押さえておきましょう。次の章では、ETCカードが紛失・盗難に遭ってしまった場合にどうすればいいのかを解説していきます。
紛失・盗難にあった時の対処方法
クレジットカードと同様、ETCカードを紛失した、もしくは盗難にあった場合にすぐ行うべきことは以下の2点です。
- カード発行会社に連絡し、利用停止してもらう
- 警察へ紛失届・盗難届を提出する
不正利用されてしまった場合でも、正しく対処をすればカード会社の補償を受けることができます。まずは上記2点をすぐに行いましょう。
また、カードの利用停止を行うと、そのカードは二度と使用できなくなります。カードの停止対応、警察への届出が終わったらカードの再発行の手続きをしましょう。
※カードの利用停止を依頼した後にカードを発見した場合でも、すでに使えなくなってしまっているので再発行が必要です。
レンタカー利用時にETCカードのレンタルができる
レンタカーを利用する際に、もともとETCカードを持っていない場合や、レンタカーをする当日に家に忘れてきてしまったということがあるのではないでしょうか。
基本的にレンタカーではETCカードのレンタルを行っていますので、ここでは主要のレンタカーでETCカードのレンタルが可能かをまとめています。
レンタカー会社 | ETCカードレンタルの可否 |
---|---|
トヨタレンタリース | ◯ |
タイムズカーレンタル | ✕ |
ニッポンレンタカー | ◯ |
日産レンタカー | ◯ |
オリックスレンタカー | ◯ |
バジェット・レンタカー | ◯ |
Jネットレンタカー | ◯ |
ニコニコレンタカー | ✕ |
ジャパンレンタカー | ◯ |
注意事項
- 「レンタカーとETCカードの同時レンタル」はできますが、自分の車で使う用の「ETCカードのみのレンタル」はできないのでご注意ください。
- ETCカードのレンタルを行っていない店舗もありますので、事前にお問い合わせください。
まとめ
- ETCカードは極力、年会費やカード発行手数料などのコストが無料のものを選ぶべきである。
- カードの利用に対して付与されるポイント=還元率は、各クレジットカードによって異なる。
- ETCカードを利用する際は、マイレージサービスに登録しておくと、クレジットカードとは別にポイントが貯まり、通行料金(高速料金)として利用することができる。
- ETCカードにもクレジットカードと同じく有効期限があるので注意する。
導入には若干手間がかかりますが、いったん使い始めるととても便利で、かつポイントを貯められるのがETCカードです。
使用するカードを厳選して、ぐんとお得に有料道路(高速道路)を利用できるようにしましょう。